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「クンダリニー・タントラ」を読む【34】第2章 7節:アナーハタチャクラの位置や特徴

「クンダリニー・タントラ」を読む【34】第2章 7節:アナーハタチャクラの位置や特徴

「愛」や「エゴ」に関係し、感情の完全な安定をもたらす第4チャクラ

「クンダリニー・タントラ/スワミ・サティヤナンダ・サラスワティ著」を読み進めていく形で、クンダリーニヨガ(クンダリニーヨーガ)の概要を紹介していく連載記事です。

「Kundalini Tantra 英語版 ペーパーバック」 Swami Satyananda Saraswati (著)

「Kundalini Tantra 英語版 Kindle」 Swami Satyananda Saraswati (著)

参考:クンダリニーヨーガ(クンダリーニヨガ)の研究まとめ

今回は、第2章の7節、第4チャクラのアナーハタチャクラの位置や特徴に関する部分です。アナハタと表記されることもあります。

アナーハタチャクラの覚醒のための行法は、後に示されます。

参考:「クンダリニー・タントラ」を読む【45】第3章 8節:アナーハタチャクラの覚醒方法

以下、引用部分の太字強調は私が個人的に重要と思ったところを示したものです。

この記事の目次

アナーハタチャクラの概要・位置

In kundalini yoga, anahata chakra is a center of great importance. This is because although awakening from manipura is constant, kundalini has to remain in anahata for quite a long time.

クンダリニーヨーガにおいて、アナーハタチャクラは非常に重要なセンターであるといいます(結局全部重要じゃないか!と思ってしまいますが、たしかにこのチャクラの説明は前のマニプーラチャクラよりもかなり長いようです)。

その理由として、マニプーラの覚醒によってクンダリニーは下降することなく安定すると前項で解説されていましたが、その後のアナーハタチャクラにおいて、クンダリニーはとても長い期間留まることがあるからである、と説明されています。

It is said that in this present age the consciousness of mankind is passing through a phase of anahata. It means that in many people anahata chakra has started to function, but there is a difference between functioning and awakening. In most people, anahata is not completely active, but it functions slightly. Mooladhara on the other hand is very active and almost awake in the majority of people today.

現代において、人類の意識はアナーハタチャクラを通るところまで来ていて、アナーハタチャクラは多くの人々において「機能」し始めているようですが、それは「覚醒」とは異なるものであるといいます。

ほとんどの人はムーラーダーラチャクラが非常に活発であり、アナーハタチャクラの機能はわずかに活性化し始めているだけであると説明されています。

The word anahata actually means ‘unstruck or unbeaten’. And this center is known as such because of its relationship with the heart, which throbs, beats or vibrates to a constant unbroken rhythm. It is said in many of the scriptures that there is a sound which is non-physical and non-empirical, which is transcendental in nature, and this sound is endless and unbroken in the same way that the heart beats faithfully and continuously from before birth up until death.

「アナーハタ」の言葉としての意味は、「不倒・不滅」です。アナーハタチャクラは心臓との関係がよく知られており、破壊することのできない鼓動・振動を刻み続けています。多くの文献において、アナーハタチャクラには物理的に実際に鳴っているわけではないある「音」が存在することが言及されていて、この超越的な音は終わりがなく、破壊されることなく、心臓の拍動が誕生前から死まで続いていくのと同じように、鳴り続けているといいます。

この音は、「ナーダ音」として知られています。

Anahata chakra is situated in the spinal column on the inner wall, directly behind the center of the chest. The kshetram is at the heart, and although anahata is known as the heart center, this should not be misinterpreted to mean the biological heart, the muscular pump within the chest. Although its physiological component is the cardiac plexus of nerves, the nature of this center is far beyond the physiological dimension.

アナーハタチャクラは、胸の真ん中からまっすぐ背骨の方へ向かった奥、背骨の内側の壁にあると説明されています。

クシェートラム(チャクラに対応する点)は心臓であり、アナーハタは「心臓のチャクラ」として知られていますが、物理的な臓器(血液のポンプとして働く器官)としての心臓そのものではなく、混同してはならないと説明されています。心臓神経叢にも関連しているチャクラではありますが、チャクラそのものは物理的次元を超越したものであるといいます。

In yoga the heart center is also known as hriday-akasha, which means ‘the space within the heart where purity resides’. This chakra is a very delicate center, for it is directly connected with that part of the brain which is responsible for all the creative sciences and fine arts such as painting, dance, music, poetry, etc.

ヨーガでは、心臓のセンターは「フリダヤーカーシャ」(フリダヤは「心臓」、アーカーシャは「空」)としても知られ、純粋性が住む空間が心臓にある、というように考えられることもあります。

アナーハタチャクラは非常にデリケートなチャクラであり、絵画やダンスや音楽や詩といったアートを創造する脳の部分に直接関係しているといいます。

アナーハタチャクラを表す伝統的なシンボル

(画像出典:Wikipedia)

アナーハタチャクラを象徴するシンボルについて、こちらも前の3チャクラと同様にたくさんのものが描かれていると説明がありますが図は載っておらず、全ての要素を含む図は見つかりませんでした。しかしそれぞれの要素には、チャクラの意味や行法を表す重要な意味があると思われます。

ここでは、よく見かける画像に含まれている要素(神様や動物などが含まれていない、蓮華と幾何学模様と梵字)だけ、ざっと見ていきます。

Although most of the tantric texts say anahata is a shining crimson color, like that of the bandhuka flower, my experience is that it is blue in color. It has twelve petals and on each a letter is inscribed in vermilion: kam, kham, gam, gham, anga, cham, chham, jam, jham, nyam, tam and tham.

多くの密教の教典によれば、アナーハタチャクラは輝く深紅の色をしているといいますが、サティヤナンダ氏の知覚では青色に視えたといいます。

12枚の花弁を持ち、それぞれに朱色の文字でkam, kham, gam, gham, anga, cham, chham, jam, jham, nyam, tam, thamが書かれています。

The inner region is hexagonal in shape, representing the air element, vayu tattva. It is made up of two interlaced triangles, symbolizing the union of Shiva and Shakti. The inverted triangle is the symbol of creativity, Shakti; and the upright triangle represents consciousness or Shiva. The vehicle, located within the hexagon, is a black antelope,
which is known for its alertness and fleetness of foot. Above it is situated the bija mantra yam, which is dark grey in color.

蓮華の内側は六角形になっており、これは「空」の元素を表します。上下逆さまの三角形2つが重なり合った形(六芒星)になっており、これはシヴァとシャクティの結合を象徴していて、逆三角形は創造の象徴であるシャクティ、上向きの三角形はシヴァの意識を表しているといいます。

六角形の中には、警戒心や素早さを象徴する黒いアンテロープ(羊)が描かれていることもあります。中央にはビージャマントラのyam यंが、ダークグレーの色で描かれています。

Anahata belongs to maha loka, the first of the immortal planes. Its vayu is prana, which passes through the nose and mouth, and its tanmatra is feeling or touch. The gyanendriya is the skin and the karmendriya is the hands. Anahata chakra represents manomaya kosha, controlling the mind and emotions.

アナーハタチャクラはマハー・ローカに属し、「不滅」の次元の中では一番低い次元であり、これより下の次元は創造と破壊を繰り返していると捉えます。

ヴァーユ(体内の生命活動を担当する5つの気)はプラーナに関係し、プラーナは鼻や口から取り入れられます。タンマートラ(感覚)は「触覚」で、ギャネンドリヤ(感覚器官)は「肌」で、カルメンドリヤ(行動器官)は「手」です。アナーハタチャクラはマノーマヤ・コーシャに属し、心や感情をコントロールします。

用語:ローカ loka
用語:コーシャ koṣa

Vishnu granthi, the second psychic knot, is located at this heart center. It represents the bondage of emotional attachment, the tendency to live one’s life making decisions on the strength of the emotions and feelings rather than in the light of the spiritual quest. Vishnu granthi is untied as the emotions harmonize and enhance, rather than oppose the spiritual awakening.

クンダリニーの上昇を妨げる「結び目(グランティ)」の2つ目がここにあり、1つ目はムーラーダーラチャクラにありました。この2つ目のグランティであるヴィシュヌ・グランティは、感情的な執着、すなわち霊的な探求よりも強い感情に基づいた決断をしてしまう思考の癖につながっています。

ヴィシュヌ・グランティは、霊的な目覚めに対抗することなく感情が調和して拡大していくことによって、解かれていくといいます。

It is said that he who meditates on the heart lotus is foremost among yogis and adored by women. He is preeminently wise and full of noble deeds. His senses are completely under control and his mind can be engrossed in intense concentration. His speech is inspired and he has the ability to enter another’s body at will.

この心臓の蓮華に瞑想する者はヨーガ実践者の中でも最も優れ、卓越した賢者となり、高貴な振る舞いをし、特に女性に崇拝されるといいます。

感覚は完全にコントロールされ、心は研ぎ澄まされた集中をすることができ、発する言葉は気づきに満ちており、他者の体に入る能力を持つといいます。

この「他者の体に入る」というちょっとムズムズする表現の超能力がたびたび出てきますが、他者を自分のことのように深く理解するといった意味や、テレパシーのように直接的に思考を伝えることができる、といった意味に捉えることもできます。またさらに高次元の理解をするなら、後に出てくる「全ての世界は私の内にある」あるいは「全ての中に私がいる」といったところにもつながっているかと思います。

運命と自由意志

In the tantric scriptures it is said that anahata chakra is where the thoughts and desires of the individual are materialized and fulfilled. There are basically two ways of thinking – dependently or independently. Up to manipura chakra the first approach holds true, but once the shakti pierces anahata, the second approach takes precedence.

タントラの文献によると、アナーハタチャクラでは個人の思考と欲望はすでに、物質化されていて満たされているといいます。

物事の考え方には、相対的な考え方と絶対的な考え方があり、マニプーラチャクラまでは相対的な考え方が真実とされ、アナーハタチャクラ以降は絶対的な考え方が優勢となっていくといいます。

This means that as long as the consciousness is centered in the lower chakras, you will remain completely dependent on what is already enjoined for you, your fate or destiny. This is called prarabdha karma. Even the awakening of the lower chakras does not make much difference. Once the consciousness ascends through manipura chakra, you become master over some of the situations of life, but you are still influenced and bound by your prarabdha karma. You know that you can escape it, but you don’t know how.

この意味としては、低位のチャクラにおける意識は、必ず「運命」といったものに依存した思考しかできないからであり、その運命の正体は「プラーラブダ・カルマ(放たれてしまった、必ず顕現するカルマ)」であるといいます。

カルマには3種類あって弓矢にたとえられ、まだ放たれる前の矢は焼き尽くすことができ、まだ矢筒に入る前の未来のカルマも防ぐことができますが、私たちが肉体を持って生まれた原因にもなったカルマ(プラーラブダ・カルマ)は、すでに放たれており、それが顕現することは避けられない、という考え方に基づいています。

マニプーラチャクラまで上昇した場合、人生において多くの状況をコントロールすることができるようになっていますが、依然としてまだプラーラブダ・カルマの生み出す運命には囚われているので、相対的な思考しかできない、ということです。

Anahata chakra is almost completely beyond these empirical dimensions. Here, one realizes that fate is of course real, but still one can go totally beyond its dictates. It is like throwing something into the sky. If you are able to hurl that object right out of the gravitational field, then it will no longer be pulled down by the earth’s magnetic forces. Just as a rocket is launched at tremendous speed in order to go beyond the gravitational pull of the earth, so the consciousness is accelerated in anahata to the speed of freewill in order to transcend the pull of latent samskaras.

アナーハタチャクラはそういった運命の次元を超越しており、もちろんプラーラブダ・カルマの影響でこの物質世界も肉体も存在しているけれども、それを越えていくこともできるという状態になるといいます。

例えるなら、地球でなにかを真上へ投げた時、通常ならば重力が働いて落ちてきますが、重力の影響を受けつつもさらに上へと投げ上げれば、もう落ちてくることはないところへ到達することもできる、というように説明されています。

アナーハタチャクラにおいて、意識はそのように重力(運命・サンスカーラを表す)を振り切れるような「自由意志」のスピードへと加速することができるといいます。

It is only when you reach anahata chakra that you become a yogi. Up until then, whether you are in mooladhara, swadhisthana or manipura, you are a yoga practitioner. In anahata you become a yogi because you are completely established in yogic consciousness and you depend solely upon the power of your own consciousness rather than on anything that is external or concerning faith.

アナーハタチャクラに到達した時、人は初めて「ヨーギー」になり、それまでは単に「ヨーガ実践者」であると説明されています。ヨーギーの意識は、外の世界のいかなるものにも依存せず、自分の意識の力によって成り立っているといいます。

思考が現実になる(良くも悪くも)

In anahata chakra, the freedom to escape from a preordained fate and to determine one’s own destiny becomes a reality. According to the tantras, at the root of anahata there is a wish fulfilling tree known as the kalpa taru or kalpa vriksha. When this tree starts to fructify, whatever you think or wish comes true.

アナーハタチャクラが覚醒すると、定められた運命から解き放たれ、自分の決めた運命を現実にしていくことができるといいます。それは良くも悪くも、考えたことが実現するということです。

Ordinarily, we have so many wishes but they rarely assume more than the air of a daydream. However, if they were all to become realities, we would quickly start to question whether we want our wishes fulfilled at all. Most people prefer to depend on fate rather than take responsibility for creating their own destiny, and well they should.

多くの人は、「自分の決めた運命が現実になる」という能力を得たとしても、それを活用する準備ができていません。

自分で運命を決めて責任を持とうとするよりも、決められた運命に依存するほうが楽なので、多くの人はそのように生きています。

アナーハタチャクラには「望みが叶う樹」がある、というように喩えられます。

その樹の下にたどりついた旅人は、それを活用する準備ができておらず、水や食べ物やベッドなど想像したものが何でも手に入るので有頂天になっていたら、そのうち夜になって暗くなり、「暗くて怖い、トラが出てきて食べられてしまうのではないか」と想像してしまって、そのとおりになってしまったという喩え話が紹介されています。

This is what can happen to anyone who awakens the wish fulfilling capacity without sufficient preparation. If the consciousness awakens in anahata, but you do not know the powers of your mind, or you possess negative, pessimistic attitudes, dark approaches to life, apprehensions, fears and many other negative mental tendencies, then you will immediately fall prey to them. If this happens, you risk the possibility of falling back from anahata. And if you fall from anahata, there is hardly any chance of making a second start. To avoid a downfall at this point, it is necessary to always remain as alert as the antelope, which is sensitive to each and every sound. The antelope is the vehicle of anahata for this reason; it is not the symbol of restlessness, but of alertness.

その喩え話は誰にでも起こりうるもので、アナーハタチャクラの覚醒に際しては、ネガティブで悲観的な思考は現実になるということを知っておく必要があり、そのためにアンテロープ(羊)のように全ての音(思考や兆候など)に対して敏感に警戒しておく必要があると説明されています。

All sorts of thoughts concerning the body, children, wife, family, monetary, social, economic or political situations come to us all the time. If kundalini is asleep, these thoughts have no power, but when kundalini awakens in anahata chakra, all these thoughts suddenly become realities. Unless we are ever alert at this stage we will place our own destructive hand on our head.

クンダリニーが眠っているときは、そういった思考は特に力を持ちませんが、クンダリニーが覚醒しアナーハタチャクラへ到達した場合、これらは突然現実のものになる力を持つといいます。

When anahata chakra blooms and awakens, you must have very good sangha, associations. You should never associate with people who depend on their fate. Rather, you should always associate with those who depend on faith. You must have unswerving faith in the power of your own will.

アナーハタチャクラが覚醒した場合、どのように振る舞い、どのように思考するべきかといった新しい道が示されています。

良きサンガ(人々とのつながり・集まり)を持つべしとあり、「運命(fate)に依存する人々」よりも「信念(faith)のある人々」と付き合うようにせよ、と示されています。

そのfaithとは、「自分の意志の持つ力」に対する揺るぎない信念です。

You have to think only one thought resolutely, ‘The whole world is in me’, or ‘I am in everyone’. When you are able to develop this universal sort of attitude, the kundalini will shine forth and pierce the fifth chakra – vishuddhi, the center of immortality. This is the importance and significance of anahata. Perhaps the best mantra for the heart center is Оm Shanti. ‘Om’ is the universal cosmic vibration which permeates the whole creation and ‘Shanti’ means peace.

意志の持つ力に気づいたとき、「全ての世界は私の内にある」あるいは「全ての中に私がいる」といった思考にたどり着きます。そのときクンダリニーはアナーハタチャクラで輝き、次のヴィシュッディチャクラへ上がっていくといいます。

そのような状態にたどり着くために、アナーハタチャクラにとって最も重要なマントラ(真言)は、「Om Shanti オーム・シャーンティ」であるといいます。

用語:オーム om
用語:シャンティ(シャーンティ) śānti

アナーハタチャクラと愛

アナーハタチャクラは「愛」と深い関係のあるチャクラとして扱われています。

「愛」といっても人によって捉え方は様々なので、ここでは愛そのものについての説明も加えられています。

Anahata chakra awakens refined emotion in the brain and its awakening is characterized by a feeling of universal, unlimited love for all beings. Of course there are many people in the world who practise kindness and charity, but they have selfishness. Their charity is not an expression of anahata chakra and spiritual compassion, it is human compassion.

アナーハタチャクラによって、宇宙全体へ向けた無限の愛の感情が目覚めるといいます。世界には慈善的な行いをする人々もたくさんいますが、その人々にはまだ自己中心性があります。そういった慈善活動はアナーハタチャクラや霊的共感による表現ではなく、依然として人間としての共感にとどまっています。

How can we tell the difference between human charity and spiritual charity? In human charity there is always an element of selfishness.

人間としての慈善と霊的な慈善の違いとは、自己中心性(エゴ)があるかどうか、というところで区別しているようです。

Every form of love is contaminated by selfishness, even the love you have for God, because you are expecting something from him. Perhaps in this world, the love with minimum selfishness is a mother’s love. Of course it is not totally unselfish, but because a mother’s sacrifices are so great, her love has minimum selfishness.

同様に「愛」も様々な形で表現されますが、全ての愛は自己中心性を含んでいて、母の愛は最もそれが少ないけれども、やはり完全に自己中心性が無いわけではない、と説明されています。

The qualities of anahata chakra can be awakened by many methods. The symbol of anahata chakra is a blue lotus, and in the center are two interlaced triangles. This lotus represents the opening of man’s heart. Music, art, sculpture, literature, poetry, all these are important aids to the development of anahata chakra. And when anahata opens, your understanding of all beings changes a lot.

アナーハタチャクラは、様々な方法で覚醒する可能性があるといいます。アナーハタチャクラを表す蓮華のシンボルは、その人の心が開いていくことを表していて、音楽やアートや彫刻、文学や詩などもその覚醒の役に立つといわれます。

アナーハタチャクラが開くことによって、全ての存在への理解が大きく変化するといいます。

Awakening of a chakra alters the frequency of the mind and immediately influences our day to day relationships with people and our surroundings.

心の変化に関して、よく「frequency 周波数」という言葉が使われます。全ては波であり、感受性が変化することもまた波の変化であるということになるでしょう。

チャクラの覚醒によって、その心の周波数が変化し、日常生活における周りの人々や環境との関係性にも直接的な影響があるであろう、と説明されています。

Anahata chakra can be aroused and awakened by the practice of bhakti yoga, in which there is no place for egotistical consciousness. Your devotion can be for God or guru. It is easy to practise devotion to God because he does not check your ego, or even if he does, you don’t know it. But when you practise devotion to guru, the first thing he does is ‘egodectomy.’ So when you direct your devotion to guru, you have lots of difficulties. If you only meet your guru from time to time, the problems are invisible, but if you live with him, the problems are greater. Therefore, many people think it is safer to have a guru who is no longer living.

本当の愛は、エゴを超越したものであるといいます。アナーハタチャクラは、神や師匠への献身によるバクティヨーガによって覚醒することができるといいます。そこにはエゴに囚われた意識はありません。

神への献身は比較的容易ですが、師匠への献身となると、その師匠が本当に信頼できてエゴを持っていないのかということの判断が難しいため、多くの人は、すでに亡くなっている過去の人物を師匠とするのが安全であると考える、といいます。

Not only is ego an obstacle on the spiritual path, it is also the greatest barrier to harmony and cordiality in family and social life. Therefore, in order to treat the ego there are two very important paths. One is karma yoga and the other is bhakti yoga. Ego can never be removed by intellectual persuasion. It can never be subdued or eliminated unless you develop the highest form of love. Just as the sun removes darkness, love removes ego. These two can never coexist.

エゴは、霊的な道を妨げるだけでなく、家族や社会生活における調和や友好においても大きな障害となります。

エゴをうまくコントロールするには、2つの重要な道があり、それがカルマヨーガとバクティヨーガであるといいます。

エゴは、言葉を用いた説得などでは取り除くことはできず、それは最高次元の愛によってのみ滅することができるといいます。その愛とエゴは、決して両立しません。

Therefore, in India, most Hindu women are initiated into bhakti yoga at a very young age. When they are four to six years old they are taught to practise devotion to Lord Shiva, Krishna, Rama, Vishnu, Lakshmi, Durga and so on, because it is easier for women to develop anahata chakra. For this reason women are also told to use anahata as their center for meditation, whereas men are generally advised to concentrate on ajna chakra. Anahata is the seat of human love and the seat of divine love. They are not two things, they are one and the same.

ヒンドゥー教の女性の多くは、4〜6歳のころにバクティヨーガのイニシエーションを受け、シヴァやクリシュナのような神への献身の実践を学びます。そのため、女性にとっては瞑想の集中対象としてアナーハタチャクラを選ぶのが良いと教えられることが多く、それに対して男性はアージュニャーチャクラを選ぶことが多いといいます。

アナーハタチャクラは、人間の愛の座でもあり、神の愛の座でもあり、しかしそれらは本来同じひとつのものである、と説明されています。

アナーハタチャクラ覚醒に伴う変化

Prior to the awakening of anahata there may be frequent pain in the chest or irregular functioning of the heart, such as accelerated pulse. However, rather than feeling ill, one feels healthy and active and requires little sleep. One obtains complete emotional balance and the ability to communicate externally as well as internally. Voices or sounds coming from other realms may be heard, and buzzing or humming sounds and the music of a flute may be experienced.

アナーハタチャクラの覚醒に際して、頻発する胸の痛みや、急に脈動が速くなるなど心臓の不規則な変化が起こる可能性があるといいます。しかしそのときも病気のように元気がなくなるわけではなく、むしろ健康的で、睡眠時間も短くて済むようになるといいます。

そして感情の完璧なバランスを得て、内的にも外的にも良いコミュニケーションができるようになるといいます。また、別次元からの声や音、蜂の羽音やハミングの音、あるいはフルートによる音楽などが聞こえることがあるといわれます。

The sadhaka may become an inspired poet, artist or singer. He may manifest clairvoyant/clairaudient or psychokinetic ability, or he may be able to conquer people by the immensity of love he emits. A person who is in anahata is generally very sensitive to the feelings of others and his sense of touch is strongly developed. He also has the ability to heal others, either by touch or by generating his own spiritual energy to other people in order to effect curative changes. Many people who perform miraculous healings do so through the agency of anahata chakra.

アナーハタチャクラが覚醒した人は、直感に満ちた詩人・アーティスト・シンガーになったり、千里眼・千里耳や念力の能力を得たり、大きな愛を発することによって人々を制したりすることができるようになるといいます。

感覚は非常に繊細になり、とくに触覚がとても鋭くなって、人々を癒やしたり、自分の霊的なエネルギーを人に与えたりすることができるようになるといいます。

With anahata awakening one develops non-attachment to worldly things and a constant feeling of optimism, understanding that good and bad coexist, but there is also a world beyond this duality. After ridding oneself of attachment, the mind becomes relaxed, free and peaceful. And with the discovery of true freedom, pleasures of dualistic life become meaningless.

アナーハタチャクラが覚醒した人の心は、物質世界のものに対しての執着がなく、悲観的になることがなく、善と悪の双方への理解があり、またその二元性を越えた世界があることも理解している、と説明されています。

執着が無くなった心はリラックスして自由で平和であり、真の自由を見つけた人は、この二元的な世界における快楽を探すことの無意味さを知るといいます。

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前記事:「クンダリニー・タントラ」を読む【33】第2章 6節:マニプーラチャクラ

参考文献

「Kundalini Tantra 英語版 ペーパーバック」 Swami Satyananda Saraswati (著)

「Kundalini Tantra 英語版 Kindle」 Swami Satyananda Saraswati (著)

「密教ヨーガ―タントラヨーガの本質と秘法」本山 博 (著)

「クンダリニー」ゴーピ・クリシュナ (著), 中島巌 (翻訳)

「Asana Pranayama Mudra Bandha 英語版」Swami Satyananda Saraswati (著)

「チャクラ」C.W.リードビーター (著), 本山 博 (著), 湯浅 泰雄 (著)

「光の手 (上)」バーバラ・アン・ブレナン (著), 菅靖彦 (翻訳)

「神智学大要 第1巻  エーテル体」A.E. パウエル (編集), 仲里 誠桔 (翻訳)

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