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ゲーランダサンヒター概説5.33-5.45 〜気道の清掃〜

ゲーランダサンヒター概説5.33-5.45 〜気道の清掃〜

思念とビージャマントラを用いて気道を浄化する

ハタヨーガの重要な教典の中でもたくさんの技法が載っている、ゲーランダサンヒターを読んでいきます。

ゲーランダサンヒターの概要 〜ハタヨーガの百科事典〜

今回は、調気法の前に行うべき「気道の清掃」に関する部分を紹介します。

下記引用部分は、特に記載のない限り「ヨーガ根本教典 (続) /佐保田鶴治」を出典とします。

この記事の目次

気道の清掃法2種(サマヌ・ニルマヌ)

5.36 気道清掃にはサマヌとニルマヌの二通りがあると言われる。サマヌはビージァ(種字)を使ってなすべく、ニルマヌはダーウティ・カルマ(清掃作法)によってなすべし。

マヌは「思念」「知性」などを表し、サマヌは思念がある、ニルマヌは思念がない清掃法ということになります。

ダーウティに関しては第1章のシャットカルマの中で説明されたので、ここではサマヌ清掃法が説明されます。

参考:ゲーランダサンヒター概説1.12-1.44 〜シャットカルマ、ダウティ〜

サマヌ清掃法

サマヌ清掃法は、片鼻呼吸法(アヌローマヴィローマ)に種字を頭の中で唱えることを組み合わせた行法です。

参考:アヌローマヴィローマプラーナーヤーマ(ナディショーダナ・片鼻呼吸法)〜自律神経・左右のバランスを整える〜

参考:ビージャ(ビジャ・種字)

5.38 ヨーギーは座席につき、パドマ・アーサナ(蓮華の体位)を組むべし。それから、グル(霊師)に教えられたとおりに、グルを初めとする方々を礼拝し、気を清めるべく気道の清掃を行なうべし。

5.39 次に、煙の色を帯び、エネルギーに充ちた風の種字(ヤ)を思念して、ビージァ(種字マントラ)を十六回黙誦する間、月(左)の気道でもってバーユ(気)を満たすべし。

5.40 次に、六十四マートラーの間、クンバカ(止息)によって気を保持する。そして最後に、三十二マートラーでもって、バーユ(気)を日(右)の気道によって吐くべし(呼息)。

パドマーサナ(蓮華座)で座り、左鼻から息を吸い、止めて、右鼻から吐く。吸うときに「ヤ」のビージャマントラを頭の中で16回唱え(マートラーは1回マントラを唱える長さ)、64マートラー止めて、32マートラーで吐く。つまり吸う:止める:吐くの比率は1:4:2となっています。

パドマーサナ(蓮華座・結跏趺坐)

5.41 ヘソの根(ヘソの下方、丹田にあたる部位)へ火を引き上げて、火と地の元素の結合した光を思念すべし。
火の種字ハムを十六回念誦する間、日(右)の気道によって、気を満たすべし。

5.42 六十四マートラーの間、クンバカ(止息)して保息し、三十二マートラーで気を月(左)の気道によって吐くべし。

その後、丹田へ「火」を引き上げるとあります。1呼吸ずつ意識を集中する身体の場所を少しずつ上にあげていくようですが、前の呼吸については特に集中する具体的なポイントが示されていません。

火のイメージをしながら、「ハム」のビージャマントラを用い、今度は右から吸って・止めて・左から吐く流れを行います。

5,43 次に、鼻頭に注意を集中して、月の輝く影を思念しつつ、種字タムを十六回念誦する間イダー(左)の気道によって気を満たすべし。

5.44 そして、六十四マートラーの間、種字ヴァムを用いて思念すべし。その間に、甘露(不死の霊液)が流れ出ることを想像し、それが全身の気道を清めてゆくことを思念すべし(保息)。
それから、地の種字ラムを三十二回念誦する間に、しっかりと気を吐くべし。

呼吸は再び左から吸って・止めて・右から吐くという流れになります。吸う・止める・吐くのそれぞれにおいて、ビージャマントラはタム16回・ヴァム64回・ラム32回を唱え、それぞれ対応したイメージを思念することで気道を浄化していきます。

これらサマヌ清掃法と、ニルマヌ清掃法(ダーウティ・カルマ)を行った上で、各種クンバカを用いて気をコントロールしていきます。

(次)ゲーランダサンヒター概説5.46-5.96 〜8種のクンバカ〜

(前)ゲーランダサンヒター概説5.1-5.32 〜プラーナーヤーマを行う際の条件〜

参考文献

「ヨーガ根本教典 (続)」佐保田 鶴治 (著)

「ヨーガ根本教典」佐保田 鶴治 (著)

「やさしく学ぶYOGA哲学 ハタヨーガ 基礎と実践」向井田みお (著)

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高橋陽介

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