ヨガの8支則の中の1番目、ヤマ。
ヨガというと「ポーズをとるもの」というイメージが強いですが、ポーズや姿勢を表す「アーサナ」は、8支則の中では3番目で、もっと基本となる道徳的な部分が第1・2支則で説明されています。
これらを現代の生活でどう生かすか、ということを考えながら、簡単に解説します。
第1支則「ヤマ(社会的規範)」の5つの要素
アヒンサー 非暴力
サティヤ 正直
アステーヤ 不盗
ブラフマチャリヤ 梵行
アパリグラハ 不貪
ヤマを「禁戒」と訳す場合もありますが、個人的にはあまりしっくりきてませんでした(禁じてるだけでもない気がして)。インドの先生はSocial Code (or Discipline)と英訳されていたので、これを使うようにしました。
今回はこれらを私なりに解釈して、今の日本で人にも自分にも優しく生きる方法につなげるためのコツとして簡潔にまとめたいと思います。
アヒンサー 非暴力
「相手にも、自分にも、苦痛を与えないこと。」
あなたの行動・仕事は、誰かを傷つけたり損させたりしていませんか?
苦痛を生むことをしたら、必ず歪みが生まれて、それはまわりまわって自分に返ってきます。
どちらも攻撃を始めなければ、戦争は生まれません。
サティヤ 正直・誠実
「100%正直であること。」
本当は悪いと思っていることを、やってしまっていませんか?
本当は体に悪いものを、悪いと思いながらも食べてしまっていませんか?
人にも自分にも嘘をつかず、100%正直に・自然に生きること。心と体を健康に保つための原則ですね。
アステーヤ 不盗
「お金や物は当然。大切な『時間』も盗まないようにする。」
私も長いことフリーランスとして働いてきましたが、自分の時間の価値というものを考える機会がたくさんありました。主に、見積書を作るときですね。
時間を使ってくれた人には、それに見合った対価が支払われるべきだと思います。
ブラフマチャリヤ 梵行
「節操を守る。」
一番解釈が分かれるブラフマチャリヤ。インストラクター養成講座では毎度議論が巻き起こります。「セックスをしない」「独身でいる」などいろいろな捉え方があるようですが、それだと人類は滅んでしまいますね。
私としては「正当なパートナーとだけ関係を持つ」という解釈で良いかと思います。
アパリグラハ 不貪
「本当に必要なものだけを所有する。」
本当は必要でないものや情報がたーくさん生み出され流通している今の日本。それを作るために忙しく残業して働く人々。幸せでしょうか?
余談:マハトマ・ガンジーさんとヨガ
マハトマ・ガンジーさんの活動で「アヒンサー 非暴力」&不服従、というワードは世界的に有名になりましたが、「ガンジー自伝」を読んでみるとわかりますが彼の活動は「サティヤーグラハ」と呼ばれていました。
この場合「サティヤ」は真理(嘘をつくことに対する)、「アーグラハ」はしっかりと掴む、という意味で用いられたようです。
ヨガをする人は読んだほうがいいと言われるガンジー自伝。たしかに彼の生き様にはヨガの原則であるヤマ・ニヤマが反映されているようでした。読みたい方はお貸しします(大量に付箋が貼られてますが)。
前回書いたサントーシャとタパスは第2支則「ニヤマ(個人的規範)」の一部です。
ニヤマについては、下記の記事で書きました。
ヨーガスートラにはヤマを実践した際にどんな結果がもたらされるか、といったことが書かれていますので、下記の記事も参考にしてください。