セルフケアやヨーガの勉強などのために、私が読んできた書籍を紹介していきます。
今回は、「ヨーガの哲学/立川武蔵(著)」です。
簡単に言うと、どんな本?
「ヨーガ」にはいろいろな道がありますが、それらは最終的に何を目指すものなのか。あるヨーガ行者の生き様を元に、ヨーガの基礎になっているインド哲学や、バガヴァッドギーター・ヨーガスートラ・ハタヨーガプラディーピカーなどの教典から引用しながら、研究者の観点で解説してくれる本です。
アーサナなど技法の細かい解説はありませんが、ヨーガの種類や歴史を俯瞰的に知りたい場合はとても便利な本です。
小さい文庫本なので、持ち運びやすいです。ただ内容は哲学的でそこそこ難しいので、読み切るにはそれなりに時間とセンスが必要かもしれません。
どんな人にオススメ?
アーサナからヨガを始めた人にも、瞑想から始めてヨガに出会った人にも、いろいろな技法があるけれど「ヨーガ」って結局一体なにを目指すものなのか?ということを知りたくなった人には、良い入り口となる本です。
また、ヨーガの歴史やバガヴァッドギーター・ヨーガスートラ・ハタヨーガプラディーピカーといった主要なヨーガの教典の成り立ちなどもざっと知ることができるので、ヨーガ哲学を調べ始めた人はまずこの本を読んでおくと良いかと思います。この本を元にして、気になった部分を別の本などで深堀りしていくという使い方も良いでしょう。
私個人の読んだ時期・感想
ヨーガスートラの解説記事などを書いていたころ、RYT200を取得した宮古島のスクールに顔を出しに訪れて、そのときに先生からオススメされた本です。
そのころは、ヨーガの歴史について調べ始めていたものの、ヨーガスートラ以外はあまり詳しく掘り進めていなかったので、ハタヨーガやバクティヨーガなどのいろいろなヨーガの道がどのように生まれていったかなど、ざっとヨーガの成り立ちを知る良いきっかけになる本でした。下記の記事を書いたころに、読んだ本だったと思います。
参考:ヨガの大分類(ジュニャーナ・バクティ・カルマ・ラージャ)〜体を動かすヨガ・それ以外のヨガ〜
この本を読む前は、ヨガの本というと、ヨーガスートラにしても現代ヨガの本にしても「実践者」の立場で書かれた本を読むことが多かったので、「研究者」「学者」的な立場からヨーガについて書かれた本というのは新鮮な感じがしました。
私もどっぷりヨガにはまっている実践者というわけではなく、研究者でもあり実践者でもあるような立場で、客観的に分析しつつ他の技法などもいろいろ研究&実践していたので、研究者としての視点で書かれた本もこれ以降よく読むようになっていき、より気づきを働かせながら技法を選んでいけるようになりました。
著者の立川武蔵氏の本には、インド哲学全般をざっと扱っている「はじめてのインド哲学」という本もあり、こちらも仏教とヨーガの関わりを調べる上で参考になり、その後の研究につながる良いきっかけになりました。
「はじめてのインド哲学 (講談社現代新書)」立川 武蔵 (著)
「ヨーガの哲学」の目次
- 第1章 ある聖者の入定
- 第2章 ヨーガ哲学の本質
- 第3章 『ヨーガ・スートラ』の哲学
- 第4章 ハタ・ヨーガの行法
- 第5章 ヨーガの展開
- 第6章 ヨーガの求めるもの
「ヨーガの哲学」の購入先
Amazon
この書籍に関連する記事
- バガヴァッドギーターとは 〜様々なヨーガや宗教哲学を統合した聖典〜
- ヨーガスートラとは 〜現代ヨガの重要教典・心の扱い方・瞑想の教科書〜
- ハタヨーガプラディーピカーの概要・アーサナ一覧
- アーサナ(坐法・体位・姿勢・ポーズ)の簡単な歴史