「体幹を使うといいよ」とよく言われますが、体の奥のほうの話なので、なかなか感覚がつかみにくいかと思います。
今回は、日常生活の中で、体幹をうまく使って美しく振る舞うコツについて書いてみます。
この記事の目次
体幹を使うメリット
体幹はスポーツ選手だけのためのものではありません。
日常的にわかりやすいところで、体幹を使うことのメリットを挙げてみます。
1番のメリットは、「省エネ」です。
疲れにくい体の使い方が身につきます。
そして、「見た目が美しい」です。
余計な力が入らず、流れるように軽やかな動きになります。
立ち居振る舞いが美しくなると、モテます。たぶん。
「体幹を使う」というとガッチリ固めてふんばるようなイメージがあるかもしれませんが、手足などの余計な力が必要なくなるので、逆にふわふわ軽やかに動くことができるようになります。
元々、人間の体は自然に体幹を使えるようにできているのですが、椅子に長時間座っていたりするとお腹のインナーマッスルを使わずに日常生活を送ってしまうため、本来あるべき筋肉が弱まってしまっている人が多いのです。
体幹を使えるようにするということは、本来の自然な美しい体の使い方を思い出す、ということにつながります。
それでは体幹を使う感覚を身につけるために、日常生活でも使える簡単なイメージ練習をご紹介します。
ひとことでポイントをまとめると「なるべく音をたてないようにふわふわ動いてみる」ということです。
1)歩く時、足音をたてないようにふわっと足をつくようにする
足をつく瞬間に、ちょっとだけ足を持ち上げようとする力、それが体幹を使って生み出されています。
階段を昇り降りするときなどにも意識してみてください。
2)椅子に座るときも、ふわっと座る
ドサっとお尻をおろすのでなく、下ろす瞬間にふわっとお腹をつかってお尻を引き上げます。
電車の中などでもやってみましょう。周りの人にも好印象を与え、一石二鳥です。
3)キーボードのタイピングやマウスをクリックするときも、ふわっと押してみる
日常で一番行う動作、という方も多いと思います。
1つ1つのキーを押す動作が省エネでできれば、疲れも激減するはずです。
コツとしては、キーボードやマウスと指との間に、うすーい紙か透明なやわらかいシートが挟まっているようにイメージすると、指がキーを強く押しすぎることなくちょうど良い反発が感じられるようになり、よりリズミカルにタイピングやクリックができるようになります。
4)みぞおちで体を浮かせるようにして軽やかに振る舞う
4は少し高度なイメージかもしれませんので、1〜3ができたら試してみましょう。
立っていても坐っていてもできます。地面との接地面をなるべくなくすかのように体全体を浮かせようとします。そのときに浮力の中心になるのがみぞおちの部分です。みぞおちに軽〜い気体の入った風船が入っているイメージをします。呼吸するときも、軽〜い気体を吸い込んでいるようにイメージします。
この状態で動くと、結果的に足音もなくなり、体の偏りがなくなります。
ヨガではウディヤーナバンダと呼ばれる技の応用です。
参考記事:
≫プルプルしないでポーズがキープできる秘密「バンダ」
5)頭のてっぺんから糸で釣られているようにブランブランしながらまっすぐ振る舞う
もし4がしっくりこなかった場合、こちらのほうがイメージしやすいかもしれません。
頭頂の1点が空から糸で釣られているようにイメージします。
体全体が上に引き上げられて、かつ釣られているので重力で全身がブラーンと長くまっすぐになります。
背骨と背骨の隙間、筋肉の隙間、いろんなスペースが体の中に生まれていって、姿勢が整い、身長も数センチ伸びます(実際に結構のびますので頭などぶつけないように気をつけましょう)。
だんだん意識せずに体幹が使えるように
最初のうちは意識しつづけるのが難しいかと思いますが、気づいたときに意識してみるのを続けていけば大丈夫です。
そのときに使われている、姿勢を整えるための体幹の筋肉(インナーマッスル)は、確実に鍛えられていきます。
筋肉のバランスが整ったら、あまり意識しなくても体幹が使えるようになり姿勢も整っていきます。
まずは日常生活の中から、トライしていってみてください。