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サイドキックのやり方・効果|ピラティス解説

サイドキックのやり方・効果|ピラティス解説

レベル:
★★
★★★★★★★

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骨盤を安定させて、使っていなかった股関節周りの筋肉を正確に使えるように

サイドポジションから脚を様々な方向に動かして、股関節まわりの筋肉を全体的に鍛えるピラティスのエクササイズ、サイドキック

この記事の目次

サイドキックの効果

  • 股関節屈曲・伸展・外転・内転などの筋力UP・可動域UP
  • 体幹(腹筋・インナーマッスル)の強化

サイドキックの禁忌・注意点

股関節周りの筋肉を痛めている場合は、痛みのない範囲で行いましょう。

雑に行ってしまわないように、骨盤・上半身をしっかり安定させて、股関節の動きに集中して行いましょう。

サイドキックのやり方

基本姿勢(側臥位のニュートラルポジション)

基本姿勢をまずしっかり安定させて、力まずにその形をキープできるようにします。

横向きに寝て、つま先・膝・骨盤・胸・顔がまっすぐ前を向くようにし、側臥位のニュートラルポジションをつくります。上側の手は、胸の前の床に軽く置いて支えます。

ニュートラルポジションの骨盤の位置をキープし、姿勢が崩れないことを優先しながら、股関節をできるだけ大きく正確に動かしていきます。

1. 股関節屈曲

やり方とポイント

前方へキックします。背骨を丸めてしまわないように、股関節の根本を意識して屈曲するようにします。

できるだけ90°まっすぐ前方へ蹴れることを目指していきますが、骨盤がグラグラしないことを優先して、安定感を保ちながら少しずつ可動域を広げていきましょう。

呼吸と動き

2回に分けてフッフッと吐きながら2段階に分けて蹴り(たとえば前方へ20°・30°などの角度で)、吸いながらまっすぐへ戻る、という動きを1セットとして、5セットほど行います。

2. 股関節伸展

やり方とポイント

後方へキックします。背骨を反らないように、腹筋をしっかり引き締めながら、できるだけ大きく脚を後ろへ蹴っていきます。

後方へキックする動きは「股関節伸展」と呼ばれますが、伸展の可動域は屈曲の可動域よりも狭いです。もちろん90°真後ろまで蹴ったりすることはできませんので、15〜20°程度の角度を目指して動かしましょう。

呼吸と動き

2回に分けてフッフッと吐きながら2段階に分けて蹴り(たとえば後方へ10°・20°などの角度で)、吸いながらまっすぐへ戻る、という動きを1セットとして、5セットほど行います。

3. 股関節外転

やり方とポイント

上(側方)へキックします。前方と後方に比べると骨盤は揺れにくいですが、下側のくびれがつぶれないように気をつけて行います。

向こうの壁を押すようにし続けることで、くびれがつぶれにくくなります。

膝が外(上)へ向かないように(外旋しないように)気をつけながら、正確に外転を行います。可動域は45°くらいを目指して動かしていきましょう。

呼吸と動き

2回に分けてフッフッと吐きながら2段階に分けて上へ蹴り(たとえば30°・40°などの角度で)、吸いながら下へ戻る、という動きを1セットとして、5セットほど行います。

また、吸いながら上へ挙げて、2回に分けてフッフッと2段階に分けて下へさげるというやり方もあります。こちらもあわせて行うと、内転筋も鍛えられます。

4. 股関節回転(上側)

ここまでの動きで広がった屈曲・伸展・外転の可動域を活かすように、股関節を根本から回します。特に前後へもなるべく大きく回し、骨盤がグラグラしないことを優先して行いましょう。

呼吸は自然に続けながら行い、左右5回転ほどずつ回します。

5. 股関節内転

やり方とポイント

上側の足を、下の太ももの前あたりの床について支えます。足裏がしっかりつけなくても構いません。

他の部分がグラグラしないように気をつけながら、下側の脚を持ち上げます(内転の動き)。

特に骨盤が上を向いたり下を向いたり、下のくびれがつぶれてしまったりしやすいので、しっかり最初の形をつくってから安定させて下側の脚を動かすようにします。

内転の可動域は20°くらいを目指していきます。上の脚に比べると動きは小さくなりますが、なるべく正確に行いましょう。

呼吸と動き

2回に分けてフッフッと吐きながら2段階に分けて上へ蹴り(たとえば10°・20°などの角度で)、吸いながら下へ戻る、という動きを1セットとして、5セットほど行います。

6. 股関節回転(下側)

股関節を根本から回します。特に上へ(内転方向へ)大きく動かすように意識して、骨盤がグラグラしないことを優先して行いましょう。

呼吸は自然に続けながら行い、左右5〜10回転ほどずつ回します(上の脚よりも小さい円になるのでたくさん回してみても良いかと思います)。

これまでの動きを一通り終わったら、逆側も同様に行います。もし時間を短縮したい場合は、4と6だけを行うのも良いでしょう。

モディフィケーション(簡単バージョン)

  • お尻が後ろへ倒れないようにするために、壁に背中・お尻をつけた状態で行うこともできます。体幹の負担が減るため、股関節の動きに集中できます。
  • 下の脚を曲げる(膝が前に出るように)ことで、安定感が増して少し簡単なバージョンになります。

サイドキックのコツ・練習法

サイドのニュートラルポジション

骨盤をニュートラルに保つことを優先して、その範囲内でなるべく大きく脚を動かせるようにしていきます。

骨盤底筋や下腹部の筋肉を常に引き締めておき、骨盤をまず安定させましょう。意外と前や後ろに傾いていることが多いので、骨盤が垂直に立っているかどうか、たまに誰かにチェックしてもらいながら修正すると良いかと思います。

また、下側の脇腹の下にはくびれがあり、床にべたっとついてしまわないようにします。べたっとついている場合、骨盤の向きがズレている可能性があります。これを防ぐための一つのコツとしては、「上側の足を向こう側の壁へ押しつけるようにし続ける」という表現があります。

まずは小さく正確に、それからだんだん大きくしていく

最初は大きく動かすのではなく、骨盤の位置や上半身の姿勢などが崩れないことを優先して、小さく正確に股関節を動かすことから始めましょう。

骨盤を安定させるための下腹部や背中の筋肉が特に重要です。お腹と背中の筋肉ではさむようなイメージで骨盤を安定させるようにします。

姿勢が崩れないことを優先しながら、少しずつ大きく動かせるようにしていきます。

股関節の可動域や筋肉については以下のページにまとめています。

参考:機能解剖学事典・動きに関わる筋肉一覧

脚を安定させて動かすためのイメージ

「股関節を引き込む」というイメージの意味とやり方は、別の記事でも紹介しました。

参考:股関節や肩関節を「引き込む」意味とコツ

骨盤を安定させて、股関節を骨盤の方へ引き込むように「し続ける」ことで、股関節周りの筋肉全体が協力して動くようになり、安定した動きになるため、結果的に可動域も広がってきます。

さらに脚を伸ばす目的と、下側のくびれをつぶさないようにする目的も合わせて、脚を遠くへ押し出す・向こうの壁を足で押すような意識を加えると良いでしょう。

脚の先端と根本で引張り合うようなイメージを「し続けながら」正確に大きく股関節を動かせるようにしていきます。

シークエンス例

≫ヴァシシュターサナ

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by 高橋陽介

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