レッスンでご質問いただいたので、書いてみます。
ヨガのポーズを行う時に、「気持ち良いところでキープしましょう」という指示をされることがあるかと思います。
でも、気持ち良いところで止めてたら、いつまでたっても柔軟性や筋力は高まらないのでは?とも思えます。
たしかに言葉にすると「怠けている」ようにも聞こえてしまいますが、「気持ち良い」について、少し深く考えてみましょう。
今の自分にとっての「気持ち良い」を確認する
「気持ち良い」の定義や感じ方は、人それぞれ、その瞬間ごとに異なるのでしょう。
たとえば、今はそんなに頑張りたくないというときには、無理してヨガポーズを深めようとすると疲れてしまって気持ち良くないと感じてしまい、それよりは適度な深さと強度で行っているほうが、気持ち良いと感じるかもしれません。
それに対して、もっと深めたいのになかなか深まらないというときは、気持ち良くはないと感じるかもしれません。深め方がわかって、前回よりもできるようになったときに、やっと気持ち良いと感じる場合もあるかと思います。
このように、「気持ち良い」は本当にさまざまな形で起こる感覚です。人と比べることもヒントになりますが、判断するのは自分自身です。
自分にとって今「気持ち良い」はどういうことだろう?と確認しながら、ヨガも日常生活も、行っていけると良いでしょう。
「気持ち良い」は変化する
「気持ち良い」は、瞬間瞬間で変化します。
今この瞬間の「気持ち良い」はどうやったら起こるのかをしっかり感じ取って、ヨガポーズの深さを調節したり、仕事の量を調節したり、バランスをとって生活してみましょう。
毎日練習していたら、同じ「気持ち良いところ」が1週間も続くことはほとんどないでしょう。同じようにやっているのに、前回は気持ち良かったけれど今回は違う…などと感じたら、やり方を変えてみる必要があるかもしれません。
筋力と柔軟性の気持ち良さ
柔軟性に関しては「気持ち良い」が比較的わかりやすいかもしれませんが、では筋力に関してはどうか?
筋力を高める動きは、瞬間瞬間を切り取ってみると、「キツい」トレーニングになるかもしれません。
ヨガに限らず、トレーニングをする人はなぜ「キツい」ことをするのかというと、それが結果的に「気持ち良い体」を作っていけることを知っているからだと思います。
その瞬間はキツいかもしれませんが、未来に「気持ち良い」が待っていると気づいていれば、それを行うモチベーションも生まれます。
未来・全体の「気持ち良い」を感じ取る
「気持ち良い方向」へ向かっていると確信できていたら、その道程はただただキツいというものではないでしょう。
あるいは、部分的にはキツくてもそこを改善すれば全体が良くなる、といったことにも気づいていれば、それもまたモチベーションにつながるでしょう。
このように、未来や全体に気づいていたりする人は、他の人にはないエネルギーを得て行動できるようになります。
変化し続ける、今この瞬間の「気持ち良い」を感じ取って、全体的に「気持ち良い未来」へ向かっていくことを続けていれば、自然とヨガポーズも深まり、生活の質も上がっていくかと思います。