今回は、ちょっとインストラクター向けの内容かもしれませんが、ヨガのレッスンを受ける方にも参考になると思います。
体の使い方に対する理解の仕方は、人それぞれ、とても異なります。
長嶋茂雄さんのように「ビューッと来た球をバシンと打つ」というような擬音・感覚的な表現が、しっくりくる人もいるでしょう。
私もレッスンでは「説明したこと、理解してくれたかな…?」と感覚を働かせながら、もしピンと来てないかなと思ったら、別の表現に切り替えたりして自然に使い分けています。
あえてまとめるとすれば、以下のような説明の仕方があると思います。
- 擬音やイメージでざっくり説明
- 筋肉の位置・名前などを交えて、解剖学に基づいて説明
- エネルギーライン(矢印)で説明
- アジャスト(負荷を加えたサポート)で説明
擬音やイメージでざっくり説明
たとえば太陽礼拝でダウンドッグからジャンプでウッターナーサナに戻ってくるとき、なるべくおへそを高い位置のままで、足をドサっと着地しないようにしたいのですが、そのためにはお腹のインナーマッスルを使って、下半身全体を持ち上げる必要があります。
正確には、足でピョンと飛ぶ「ジャンプ」とは違うのですよね。
そのとき、大腰筋を使って引き寄せる…という説明をしても難しいので、「なるべくふわっと着地する」というように説明しています。
筋肉の位置・名前などを交えて、解剖学に基づいて説明
太陽礼拝の中で、特につまづきがちなのがチャトランガダンダーサナ。
このアーサナでは、肩をすくめたり肩甲骨を寄せたりしてしまうとうまくいきません。
そのため、「脇の下と二の腕の筋肉を使う」という説明をよくしています。
前鋸筋・上腕三頭筋という名前を使うこともあります。
ただ、それでもピンと来づらいことが多いですね。
なので、そういう場合はエネルギーラインを使った説明をします。
エネルギーライン(矢印)で説明
チャトランガダンダーサナの場合は、肩を腰の方へ向かって下げるようにし、肩甲骨の真ん中から手までつながっているような意識をします。…というのを言葉で書くと長くなるので、図で説明するときは矢印で、レッスンで説明するときはサラサラっと体の表面をなぞって示します。
ダウンドッグの手〜肩の使い方を説明するときも、よくエネルギーラインを使います。
前腕・上腕ともに直線的ではなく、らせんを描くようなラインをイメージすると、強い肩の構造が作れます。
(下記の記事では、まだらせんを用いていないので、また改めて書くかもしれません)
アジャスト(負荷を加えたサポート)で説明
たとえば前屈が深まらないとき、骨盤がそもそも後ろに倒れてしまっている人も多いです。腰を丸めて前屈しようとしてしまっているんですね。
ピラティスのスパインストレッチフォワードは目的が背骨を伸ばすことなので、骨盤を立てたまま背骨を丸めながら伸ばして行いますが、ヨガのパスチモッターナーサナなどは、腰を丸めず、背中はまっすぐのままで骨盤から倒します。
こういう場合は、骨盤を前に倒すように負荷をかけます。
それで骨盤が前に倒れて動き出してくれたら、ピンと来てもらえることが多いです。
ピンと来なかったら、別の方法で
インストラクターは、いろいろな場合に備えて、伝え方の引き出しを持っているものです。
なので、ヨガのレッスンを受ける方は、もしピンと来ないことがあったら、別の表現で教えてもらえるように質問してみてください。
私も「あ、ピンと来てないな…」と感じたら、いろいろな表現で試します。
伝わって、気づきにつながってくれると、うれしいものです。
また、いろいろなアーサナを理解しようとするとき、基本となるアーサナをしっかり知っておくことは、とても理解を早めます。
下記の記事も参考にしてみてください。