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膝関節(下腿)回旋に関する考察 〜ジャーヌシルシャーサナB・C・蓮華座へのヒント〜

膝関節(下腿)回旋に関する考察 〜ジャーヌシルシャーサナB・C・蓮華座へのヒント〜

先入観を捨てて、体を「自然に」使えるようにしていく

「膝をねじらないように」というインストラクションをよく聞きます。

これは膝関節が、主に蝶番関節として機能するので、ねじったり横から圧をかけたりすると痛めやすいということから注意喚起として行われるものです。

しかし、膝関節は屈曲時には回旋運動もします。膝下で下腿(スネの骨)が回旋するということです。

ジャーヌシルシャーサナCの脚を見ると、膝の方向(ナナメ下)に対してつま先が外(ほぼ真下)へ向いていることがわかると思います。

ジャーヌシルシャーサナB・Cや蓮華座ができない人にとっては、ここがカギになっている可能性があります。

股関節についてはいろいろと議論されていますが、膝関節回旋に関しては資料もかなり少ないようなので、私なりに考察していきたいと思っています。

≫ジャーヌシルシャーサナB

≫ジャーヌシルシャーサナC

この記事の目次

膝関節(下腿)回旋の可動域

膝関節は、伸びた状態ではほぼねじれませんが、30°以上に屈曲した状態では、スネの骨が回旋します。

膝関節外旋の可動域は45°程度
膝関節内旋の可動域は30°程度

であると言われます。意外と、かなり動きます。

たしかにこの動きを用いなければ、ジャーヌシルシャーサナCのような形は実現できません。

膝関節(下腿)回旋に関わる筋肉

ここが今回の主題です。

膝関節回旋を意識的に行うには、どの筋肉を使って、どの筋肉を伸ばす必要があるのか?

膝関節外旋の主働筋:大腿二頭筋(ハムストリングスの外側)
膝関節内旋の主働筋:半膜様筋・半腱様筋(ハムストリングスの内側)

これらの筋肉たちは、普段は「ハムストリングス」として協働していることの多い筋肉です。

膝裏の両側にスジが通っているのがわかると思います(前屈の時ここが痛い人も多いようです)。これらが別々で働くことによって、膝関節の回旋が起こっています。

これらの筋肉を別々に動かすとは…??とてもイメージしづらい動きかもしれません。まして、椅子生活では常に圧迫されていて固まっているハムストリングスのカタマリ、それを外側と内側に分けて動かすというのは…苦手な人が多いのも納得できます。

また、ハムストリングスは膝関節屈曲に用いられる筋肉なので、ジャーヌシルシャーサナのように膝を曲げる状態では「縮んでいる」状態になります。縮んでいるハムストリングスの中の、半分だけ伸ばすようにする、といった複雑なことを行うには、その逆側(太もも前)の大腿四頭筋(膝を伸ばすための筋肉)がブレーキをかけないように、十分に柔軟になっている必要もあります。そのために、大腿四頭筋をストレッチするスプタヴィラーサナ(仰向けの割座)などの練習も重要になります。

≫スプタヴィラーサナ(仰向けの割座)

ジャーヌシルシャーサナBの解剖学

ジャーヌシルシャーサナBの股関節・膝関節はどのくらい回旋しているかを考えてみます。(以下、脚の長さなどによって個人差があると思いますので、数値はあくまで目安です。)

アーサナに入るときは、まずダンダーサナ(長座)で座り、右脚を曲げてまっすぐ(左右の骨盤がズレないように)引き寄せます。バッダコーナーサナ(合蹠のポーズ)を片脚だけ行っているような形になります。この段階では股関節は約45°外旋・膝関節は約30°内旋している形になります。坐骨と膝を床につけた状態でこれを行うのは、ジャーヌシルシャーサナBよりも難しいかもしれません。

ジャーヌシルシャーサナBに向かうには、ここから股関節を少し内旋して、そのぶんお尻を浮かせて、骨盤底でカカトに坐る形になります。結果的に、股関節は約30°外旋・膝関節は約30°内旋している形になります。

ここで足首が伸びていると、足首をねじる動作でごまかせてしまうので、なるべく足首は90°に曲げた状態で行うと、より確実に膝関節を回すことができます。

股関節・膝関節の柔軟性が足りない人は、右腰を後ろに引いて骨盤をナナメにしてジャーヌシルシャーサナAのような形にしてごまかそうとします。なるべく骨盤は左右そろった状態で、行えるようにしていきましょう。

ここで先程の筋肉の話を用いるとすると、膝関節内旋するためには、半腱様筋・半膜様筋(ハムストリングスの内側)を働かせて、大腿二頭筋(ハムストリングスの外側)を伸ばす必要があります。

これらの筋肉をさすってみたりして、意識を通していくようにしていきましょう。内側の筋肉は、膝の内側から坐骨方向へさするように。外側の筋肉は、坐骨から膝の外側方向へさするようにすると良いでしょう。

ジャーヌシルシャーサナCの解剖学

ジャーヌシルシャーサナCは、股関節をMAX近く(45°)まで外旋するのに加えて、膝関節もMAX近く(45°)まで外旋します。

回旋が足りない人は坐骨を浮かせてごまかそうとしますが、坐骨はどちらの回旋運動においても基点になるところなので、なるべく地面に接した状態で行えるようにしていきましょう。

膝関節を大きく外旋させる必要があるので、大腿二頭筋(ハムストリングスの外側)を縮め、半膜様筋・半腱様筋(ハムストリングスの内側)は伸ばすことになります。

蓮華座の解剖学

蓮華座で脚を引き寄せるときには、膝をしっかり曲げる・股関節を外回しするという動きが重要になります。

これらが足りていないと、下の写真のようにスネと太ももが別々に分かれるような形になることが多いです。

こうなりがちなので、これを防ぐには、股関節は外旋を強調して、膝関節は内旋を強調するようにして、結果的に下記のような割合(股関節外旋45°・膝関節外旋10°程度)で回旋すると良いかと思います。脚の長さによって個人差があると思いますので、数値はあくまで目安です。

この形から、さらに膝をおろしていくには股関節を少し内旋します。

結果的にこのくらいの割合の回旋になるかと思います。

個人差がありますし、柔軟性を高めるには継続的な練習が必要な場合もありますので、膝や足首に違和感が出たりする場合は、プライベートレッスンでご自分に合った練習法を習うと良いかと思います。

X脚・O脚、歩き方などの癖にも関係している

X脚・O脚についてはまたいずれ記事にまとめたいと思いますが、股関節の癖や脛骨の回旋癖も大きく関わっています。

ジャーヌシルシャーサナや蓮華座などを正しく練習することは、これらの改善にもつながる可能性があります。

解剖学もひとつのヒントにすぎない

今回は膝関節の回旋を主に行っている筋肉について主に取り上げてみましたが、股関節回旋・屈曲・膝関節回旋・屈曲には複雑にいろいろな筋肉が関係しています。

「ハムストリングス」として協働していたと思っていた筋肉群が、実は別々の働きをしていたという例は、他にもあります(「腸腰筋」なども)。

体は全体として協調して動いているので、そもそも「解剖学」というアプローチが正しいのかどうかという議論もあります。なので、これもひとつのヒントにすぎません。自分にとってしっくりくるのであれば取り入れても良いと思いますし、そもそも解剖学的な考え方をしないほうがうまくいく場合もあります。

大事なのは、先入観を捨てて、体を「自然に」使えるようにしていくということです。

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