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アングシュタ aṅguṣṭha

梵:अङ्गुष्ठ aṅguṣṭha/angushtha/angustha
英:thumb, big toe

日:親指

アングシュタの意味

アングシュタとは、「親指」を意味する言葉。

英語では、手の親指はthumb、足の親指はbig toeで異なる名前がついているが、日本語やサンスクリット語では同じで「親指」である。

「パーダ」は「足」の意味で、「パーダングシュタ」は「足の親指」の意味となり、足の親指をつかむアーサナの名前などによく用いられている。

アングシュタ(親指)の重要性

親指は、他の4本の指とは構造も異なり、明らかに別の働きを持っている。

手の親指は、何かをつかむために重要な役割を果たし、現代ではスマホなど片手で使うデバイスを操作するために頻繁に用いられる。また、リフレクソロジーでは親指は頭の反射区であり、親指の各部分は脳の各部分と対応している。東洋医学では肺経が通っており、全身をまわる気の流れの出発点となる。

足の親指は、手ほど明らかではないが他の4本の趾とは別の構造を持っている。関節の数や、付着している筋肉の構造も異なっている。リフレクソロジーでは、手と同様に親指は頭の反射区であり、足の親指の各部分も脳の各部分と対応している。東洋医学では内側に脾経、外側に肝経が通っている。

アーサナ中の手のアングシュタの使い方

例えばトリコーナーサナの挙げている手などで、手をどのような形にするかは、あまり重視されていない場合も多いが、明確に指示される場合もある。

指を全て揃えて行うようにした場合、これは各指を流れるプラーナ(気)が散ってしまわないようにして、体内に循環するようにするという意味が感じられる。

親指以外の四指は揃えておき、親指は少し離して伸ばす、という形もよく用いられる。

あるいは手のムドラーを組みながらアーサナを組み合わせて行うなど、様々なやり方が考えられる。いずれにしても手先指先までしっかり意識を通して、アーサナやムドラーの実践を行うのが良いであろう。

手のアングシュタを結んだムドラー

手の親指は、他の指と結ぶことのできる重要な役割を持つ。結ぶことによってプラーナ(気)が流れ、経絡の流れをコントロールし、対応する臓器などに影響を及ぼす。

また、瞑想におけるイメージを高める役割もある。

代表的なムドラーであるチンムドラー(ジュニャーナムドラー)は、親指に人差し指を結ぶ手印であるが、人差し指を「個我(私)」、親指を「宇宙我(神)」として、神に合一する意味を持たせてイメージを高めるような意味もある。

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