「何を食べるべきか?」シリーズ。
今回はアーユルヴェーダ(生命科学)に基づいた考え方をご紹介します。
アーユルヴェーダにおける、食物の味と性質の分類
アーユルヴェーダにおいては、食べ物を6つの味と6つの性質に分類します。
6味
- 甘味(米・小麦・砂糖・牛乳など)
- 酸味(酢・梅干し・チーズなど)
- 塩味(塩・醤油・漬物・昆布など)
- 辛味(ショウガ・唐辛子など)
- 苦味(緑葉野菜・ニガウリなど)
- 渋味(豆類・渋柿・緑茶など)
6性質
- 重性(チーズ・ヨーグルト・小麦など)
- 軽性(大麦・コーン・りんごなど)
- 油性(乳製品・油など)
- 乾性(大麦・じゃがいも・豆類など)
- 熱性(温かいもの・スパイスなど)
- 冷性(冷たいもの・緑葉野菜など)
※苦味と渋味の違い:苦味は舌で味わい、渋味は口全体で味わうもの
これらの分類を元にして、自分の今の状態に合ったものを食べると、バランスが取れます。
「今の状態」を判断する基準が、ドーシャバランスです。
≫ドーシャとは?
≫ドーシャを診断してみる
ドーシャのバランスは日々変わっていき、最適なバランスというのは個々人によって異なります。
その最適なバランスから大きく離れて偏ったとき、偏った側のドーシャによって特有の症状が現れ、「病気」と診断されるようになります。
そのため、偏ったドーシャを抑えたり高めたりする食べ物を適切に選択することがポイントとなります。
食べ物の味・性質と、ドーシャ増減の関係
ヴァータをV、ピッタをP、カパをKとし、それぞれの増減をまとめました。
・甘味 V↓ P↓ K↑
・酸味 V↓ P↑ K↑
・塩味 V↓ P↑ K↑
・辛味 V↑ P↑ K↓
・苦味 V↑ P↓ K↓
・渋味 V↑ P↓ K↓
・重性 V↓ P↓ K↑
・軽性 V↑ P↑ K↓
・油性 V↓ P↓ K↑
・乾性 V↑ P↑ K↓
・熱性 V↓ P↑ K↓
・冷性 V↑ P↓ K↑
たとえば、ヴァータに偏ってしまって、心がせかせかして落ち着かない・乾燥・便秘・冷え性などの症状がでている人は、甘味・酸味・塩味で、温かく油分のあるものを食べると良いです。
ただ、ヴァータは基本的に消化力が弱いので、食べる量は少なめにします。
カパに偏ってしまって、やる気がでない・太り気味・代謝が悪い・鼻炎などの人は、辛味・苦味・渋味で、温かく乾いたものを食べると良いです。
といった感じで、食生活の指針ができます。
ひとつの考え方として用いてみると良いでしょう。
ごくまれに、この原則にあてはまらないものもあります。
代表的なのがはちみつで、甘いのですがカパを減らし肥満を抑制する効果があるとされます。はちみつは、加熱しないで食べるのが良いです。
また、これ以外にもサットヴァ(純粋)・ラジャス(激情)・タマス(惰性)といった心に影響を与える食べ物の分類もあるので、下記の記事でご紹介しています。