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「クンダリニー・タントラ」を読む【16】第1章 6節-2:どのように修行を進めるか

「クンダリニー・タントラ」を読む【16】第1章 6節-2:どのように修行を進めるか

インドに行ったり隠遁したりしないと、クンダリニーヨーガはできないのか?

「KUNDALINI TANTRA(クンダリニー・タントラ)/Swami Satyananda Saraswati(スワミ・サティヤナンダ・サラスワティ)著」を読み進めていく形で、クンダリーニヨガの概要を紹介していきます。

「Kundalini Tantra 英語版 ペーパーバック」 Swami Satyananda Saraswati (著)

「Kundalini Tantra 英語版 Kindle」 Swami Satyananda Saraswati (著)

用語:クンダリニー(クンダリーニ)
用語:チャクラ
用語:ナディ(ナーディー)

これらは今は誰もが見えるもの・感じ取れるものではないので、扱うのが難しい分野ではありますが、心身の改善のためにも、ヨガのポーズや瞑想を洗練させるためにも、そしてさらなる進化のためにも、これらの「見えないもの」も注意深く研究して、気づきを磨いていくと良いかと思います。

参考:クンダリニーヨーガ(クンダリーニヨガ)の研究まとめ

今回は、第1章の6節の後半、クンダリニーヨーガの修行をどのように進めるか、アシュラムに入ったり、隠遁したりする必要があるのか?といったことに関する部分です。

以下、引用部分の太字強調は私が個人的に重要と思ったところを示したものです。

この記事の目次

外界からの刺激を最小限にする

先に述べられたように、五感で得られる刺激から離れることによって、進化へつながる脳の働きが起こり始める、という考えに基づき、外界からの刺激を最小限にしていくことについて説明されています。

If experience commence before you are properly prepared, you should immediately start to prepare yourself. The first thing to do is start fasting or switch to a light diet. You should also live quietly and avoid social interactions, reading books and magazines. Of course, during this period you must not take any drugs or medicines and you must guard against introducing any chemicals into the body.

食生活については後の節でも詳しく説明されますが、断食をしたり少食にしたり、静かに暮らして社会的接触を減らし、本や雑誌を読むことも減らしていき、また薬を減らし、化学物質を体に入れないようにしたりするなどの指示が書かれています。

アシュラムでの修行

外界からの刺激を減らしたり、食生活を整えたりするために、アシュラムに入るという選択肢について説明されています。

When you know that kundalini is arousing, as soon as you can, you should retire to a congenial place. As far as I know, the only congenial place is an ashram, where you can be with a guru and like-minded people. An ashram is a community where the inmates have plenty of work, no attachments, no hatred or prejudices, a simple life, little to eat, no comforts nor luxuries, only the bare essentials. There are no social expectations and pressures in an ashram, there’s no fashion, no show and no useless conversations and gossip. People don’t interfere with each other.

アシュラムには、適切な師匠や同じ道を目指す人々がいて、必要最低限のものがあり、人々もお互いに邪魔することなく、必要のない会話や噂話などもなく、修行を進めやすい環境が整っているといいます。

If you are a bhakta by temperament, spend your time in prayer, kirtan or bhajan. If you are an intellectual, then read books, talk minimum, practise hatha yoga and fast from time to time. If you are a very active person, work hard and dedicate yourself to karma yoga.

アシュラムでは、全員が決まった修行をしなくてはならないわけではなく、それぞれのやり方で進めることができるといいます。このあたりは、日本のお寺や出家して修行している人々のようなイメージとは全く異なります。

祈ったり、キールタンやバジャンでマントラを唱えたり、会話を控えてひたすらに本を読んだり、ハタヨーガをしたり断食をしたり、カルマヨーガで献身したりといった様々なことをしている人々がいます。

修行の経過に応じて心身に変化が起こるため、たとえば食べたくないときは食べなくても良いわけです。しかし家族と暮らしていたりすると、なんで食べないの??と心配されてしまったり病院に行かされたりしてしまいます。そういった面でも、アシュラムは自分の選んだやり方に集中でき、適した場所であるといわれます。

Life has to be disciplined, so that when kundalini awakens you can remain unconfused. You have to go to the office, bank, shops, and drive a car as well. Everybody cannot become a swami or stay in an ashram.

しかし、人それぞれに生活があるので全ての人がアシュラムに入る選択をすることはできないでしょう。

アシュラムに入らずに修行を進める場合も、修行の最初から覚醒に至ったときまでも一貫して自分を律し、狂人のように振る舞うことなく、普段の社会生活を送るようにというように指示されています。

カルマヨーガの効果

アシュラムなどで修行をしていると、必ずカルマヨーガに時間を費やすことがあります。私もインドにいたときは食事の配膳などを交代で担当していました。

「カルマヨーガ」は、献身や、見返りを求めない行為、などの意味で使われる言葉です。

Karma yoga is a very important part of spiritual life. Even if you practise austerity or mantra, use herbs, practise pranayama, undergo tantric initiation or get shaktipat, or are born with awakened kundalini, if you do not follow the path of karma yoga, your evolution will definitely be retarded at some point.

カルマヨーガは、単にアシュラムで過ごす者の義務とかいうものではなく、どんな修行を進めているにしても必ず行うべきものであり、カルマヨーガがなければどこかの段階で必ず修行は滞るであろう、と説明されています。

Samskaras, positive and negative, must be exhausted, awareness must be extended to every level, dedication or consecration must be perfected, your attachments, illusions and infatuations must be spotted, scrutinized and analyzed. All that is not possible without doing karma yoga.

カルマヨーガによって、サンスカーラ(物事を成り立たせている力)を滅し、気づきのレベルが高まり、執着や妄想などの心の癖を明らかにしていくことができるといわれます。

用語:サンスカーラ(サムスカーラ)

You must read a lot about karma yoga in the Bhagavad Gita. Perhaps that is the only philosophical and yogic explanation of karma yoga.

カルマヨーガについて詳しく知りたければ、必ずバガヴァッドギーターを読みなさいと示されています。

参考:バガヴァッドギーターとは 〜様々なヨーガや宗教哲学を統合した聖典〜

隠遁の必要性

クンダリニー覚醒のために、完全に隠遁生活に入って修行する必要があるかということに関して、マントラヨーガを行う場合は隠遁するのが役立つであろうと説明されています。

When awakening takes place by mantra, you will have to adjust your diet and retire from sexual obligations, not permanently, just for a while. From time to time it is also beneficial if you enter total seclusion. Twice a year is sufficient. In the beginning, start with one complete day. Then increase to three days, and when you are used to it, extend to a maximum period of nine days. It is preferable if you practise seclusion when it is neither too hot nor too cold.

通常の食生活や性生活からしばらく離れて隠遁するわけですが、まずは1日から始めて、9日まで伸ばしていくなど、やり方の概要が解説されています。

序盤では集中や瞑想は行わず、ひたすらマントラを唱えることを繰り返しなさいというように指示されています。

実際に隠遁できる人は少ないでしょうから、この記事ではひとまずここは詳しく紹介せずに、先へ進んでいこうと思います。なるべく社会的生活を送りながら進められる行法を、探っていくことにしましょう。

次記事:「クンダリニー・タントラ/サティヤナンダ(著)」を読む【17】第1章 7節:食生活について

前記事:「クンダリニー・タントラ/サティヤナンダ(著)」を読む【15】第1章 6節-1:クンダリニーヨーガの準備

参考文献

「Kundalini Tantra 英語版 ペーパーバック」 Swami Satyananda Saraswati (著)

「Kundalini Tantra 英語版 Kindle」 Swami Satyananda Saraswati (著)

「密教ヨーガ―タントラヨーガの本質と秘法」本山 博 (著)

「クンダリニー」ゴーピ・クリシュナ (著), 中島巌 (翻訳)

「Asana Pranayama Mudra Bandha 英語版」Swami Satyananda Saraswati (著)

男性ヨガインストラクター 高橋陽介の写真

高橋陽介

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