梵:जीव jīva
英:life, living being, individual spirit
日:生、生物、個我、霊、個人霊、魂
ジーヴァの意味
ジーヴァとは、「生」「個我」「霊」などを表す言葉。
真我、「アートマン(アートマー)」と同じものとされることもあり、ジーヴァートマン(ジーヴァートマー)とも呼ばれる。神智学におけるモナド(分霊魂)とも同一視される。
ジーヴァは形而上学的(非物質的)な実体として、バガヴァッドギーターやウパニシャッドなどさまざまな聖典で説明されている。
生きながらにして解脱に至った人物をジーヴァンムクタなどと呼ぶ。ムクタは「解放」などの意味。
ジーヴァの始まりと終わり
元々唯一の実在であったブラフマンの意識から、「個人」「私」を認識するための分割された意識が作られ、それがジーヴァ(個別意識)となり、全ては一つだったことを忘れて、「他者と私は別の存在である」という認識を生むことになる。
佐保田訳1.51節(マリンソン訳1.50節・ヴァス訳1.49節)で「万物は宇宙意識から生じた。これらの全てを放棄して、宇宙意識へ帰依すべし。」
個別意識によって分離したことにより、肉体を駆る霊は様々な経験をする。その後に、元々は一つであったことを悟り、役割を終えた物質的肉体を脱ぎ捨て、ブラフマンへと還る。
シヴァサンヒターにおけるジーヴァ
佐保田訳1.99節(マリンソン訳1.99節前半・ヴァス訳1.95節)「すべての存在のうちに住むもの(ジーヴァ)は非物質であるが、物質の内に住むことによって業の果実を味わう。そして、ジーヴァと呼ばれるものは自己の業に縛られて、物質に基づいて種々のものになるのである。」
ジーヴァは非物質的なものであるが、過去の様々な業によって物質と結びついている。
佐保田訳1.100節(マリンソン訳1.99節後半・ヴァス訳1.96節)「梵卵(宇宙)の中で、業の果報を刈り取るためにジーヴァは繰り返し生まれる。業の果報が尽きたとき、至上のブラフマンの中へ消える。」
ジーヴァは輪廻を繰り返しながら、業の果報がなくなるまで様々な形で生を受け、経験を重ねる。業の果報が尽きた時、物質は消滅し、ジーヴァは元々の実体であるブラフマンの元へ還るという。
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