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プラーナーヤーマに関するコツ・ヒント2、効果と選び方・実践方法

プラーナーヤーマに関するコツ・ヒント2、効果と選び方・実践方法

目的別に選べるようにし、セルフケアに活用する

ヨガや瞑想を深め始めたとき、アーサナ・坐法の次にプラーナーヤーマにチャレンジし始める人が多いかと思います。

しかしアーサナに比べるとちょっとよくわからなくて、結局習慣にはできていないという人も多いかもしれません。

今回はプラーナーヤーマの実践方法のアドバイスについて簡単に書いておきます。

前の記事:プラーナーヤーマに関するコツ・ヒント1 〜まず意味を知る〜

この記事の目次

プラーナーヤーマの選び方・分類

プラーナーヤーマにもいろいろな種類がありますが、どのように選んだらいいか。いくつかの軸で分類して考えてみます。

これらの分類を知っておくと、自分の状態に合わせたセルフケアに、プラーナーヤーマを活用することができます。呼吸法はいつでもどこでも、器具無しでできる健康法ですので、うまく活用できるようにしていきましょう。

呼吸を深める

まずは呼吸を深めるために行われる練習として、以下の3つがよく行われます。

  • 胸式呼吸
  • 腹式呼吸
  • 完全呼吸

胸式呼吸と腹式呼吸の境目は大まかに考えると横隔膜ということになります。

どれも基本的には「吐ききる」というのがまず重要です。吐くときに筋肉が使われる(収縮する)ことになり、練習していくことで呼吸に関わる筋肉が目覚めていきます。

また、腹式呼吸を応用したものがいくつかあり、これらを呼吸を深める目的で行うのも良いでしょう。

プラーナーヤーマではありませんが、お腹のインナーマッスルを鍛えるドローインも有効です

参考:腹横筋と腸腰筋を使うコツ 〜姿勢を整える・深く前屈するために、とても重要な筋肉〜

活性化・バランス・鎮静化

プラーナーヤーマの中には、心身を活性化するもの・鎮静化するもの・バランスをとるものがあります。

これらは目的としてわかりやすいので、プラーナーヤーマの選び方に関わる主要な項目になるでしょう。

活性化につながる主なプラーナーヤーマ

鎮静化につながる主なプラーナーヤーマ

バランスにつながる主なプラーナーヤーマ

ドーシャバランスを整える

ハタヨーガの文献の中ではアーユルヴェーダの理論に基づいた行法の選び方も示されていることが多く、ドーシャバランスを整える際にもプラーナーヤーマが用いられます。

ヴァータをバランスする

ピッタをバランスする

カパをバランスする

クンダリニー・チャクラを刺激する

個別のチャクラ行法についてはまた改めて記事を書きたいと思いますが、その行法の中にもプラーナーヤーマは数多く登場します。

サッチャナンダ氏やシヴァナンダ氏は、まずアヌローマヴィローマ(ナディーショーダナ)の重要性を挙げています。若干やり方にバリエーションはあるようですが、アジュニャーチャクラ(第三の眼)を目覚めさせる際に、このプラーナーヤーマが用いられます。

チャクラに興味がなくても、片鼻呼吸をマジメに練習していくと頭がスッキリしてきて、物事がよく観えるようになってくるのが実感できると思います。

用語辞典:チャクラ

プラーナーヤーマの深め方

先の記事でも書いたように、プラーナーヤーマは呼吸の作法だけでなく、意識の使い方も重要です。

意識の集中を練習するために、ヨーガでは「バンダ」を用います。バンダは、最初は狙った場所の筋肉(たとえば骨盤底筋や腹横筋)の収縮によって練習しますが、最終的には意識の集中のみになっていきます。

しかし、最初から全部の要素を行うのは結構難しいかもしれません。その場合、下記のような段階で練習していくと良いかと思います。

  1. まずは吸う・吐くの練習から始める
  2. 吸う・吐くの秒数を決め、少しずつ長くしていく
  3. 止息を入れるようにする
  4. バンダを使う
  5. イメージを用いる

たとえばアヌローマヴィローマの練習をする際は、以下のような段階を一例として挙げておきます。セット数の目安は、まず5セットほどから始めて、気持ち良い範囲で増やしていくと良いでしょう。

レベル1 アヌローマヴィローマ

両鼻から吐ききってスタート、「左鼻から吸って→右鼻から吐く→右鼻から吸って→左鼻から吐く」を1セットとして練習する。

レベル2 アヌローマヴィローマ

両鼻から吐ききってスタート、「左鼻から4秒吸って→右鼻から8秒吐く→右鼻から4秒吸って→左鼻から8秒吐く」のように秒数をつけて練習する。

レベル3 アヌローマヴィローマ

両鼻から吐ききってスタート、「左鼻から4秒吸って→8〜16秒止めて→右鼻から8秒吐く→右鼻から4秒吸って→8〜16秒止めて→左鼻から8秒吐く」のように、苦しくない範囲で止息を入れる。

レベル4 アヌローマヴィローマ

両鼻から吐ききってスタート、「左鼻から4秒吸って→8〜16秒止めてムーラバンダ・ジャーランダラバンダをしめる→バンダを解いて右鼻から8秒吐く→右鼻から4秒吸って→8〜16秒止めてムーラバンダ・ジャーランダラバンダをしめる→バンダを解いて左鼻から8秒吐く」のように、止息の際にバンダを併用する。

レベル5 アヌローマヴィローマ

両鼻から吐ききって意識を尾骨先端に置いてスタート、「左鼻から4秒吸いながら、背骨の左側を通って眉間まで意識を持ってくる→眉間に意識をおいたまま16秒止めてムーラバンダ・ジャーランダラバンダをしめる→バンダを解いて右鼻から8秒吐きながら背骨の右側を通って尾骨先端まで意識を下ろす→右鼻から4秒吸いながら背骨の右側を通って眉間まで意識を持ってくる→眉間に意識をおいたまま16秒止めてムーラバンダ・ジャーランダラバンダをしめる→バンダを解いて左鼻から8秒吐きながら背骨の左側を通って尾骨先端まで意識を下ろす」のように、気の通り道(ナディ)を意識しながら呼吸をする。秒数は、吸1:止4:吐2になるように長くしていっても良い(例:5秒吸う→20秒止める→10秒吐く)。

プラーナーヤーマの実践回数・頻度

回数制限のあるプラーナーヤーマ

ほとんどのプラーナーヤーマは、気持ち良い範囲で何回行っても良いですが、バストリカーは強力なため血圧が上がりすぎたり頭がくらくらしたりすることもあるので、注意をよく守って行うようにしてください。最初はかなりゆっくりなペースで、少ない回数で行ってみると良いでしょう。体を温めるのに有効な呼吸法ですが、不安な場合はやり方をしっかり習ってから行うようにしてください。

参考:バストリカープラーナーヤーマ(火の呼吸法・ふいごの呼吸法)〜胃腸の働きを高め、様々な病気を消し去る〜

朝に行うプラーナーヤーマ例

たとえば朝に行うプラーナーヤーマとしては、まず下記のようなセットではじめてみるのが良いかと思います。

  • カパラバティ 1セット30回程度で3セット
  • アヌローマヴィローマ 往復1セットとして5セット程度
  • 完全呼吸 5秒吸って(気持ちよければ止息を5〜20秒程度入れて)10秒吐く・10セット、なるべく胸もお腹も全部つかって吐ききる深い呼吸を練習する

このセットの目的としては、体を活性化して、バランスを整え、呼吸を深めてから1日をスタートする、という感じです。完全呼吸は心を落ち着ける瞑想にもなりますので、気持ちよければもっと長くしてみても構いません。

もし寝る前に行うのであれば、カパラバティは省いて行うのが良いでしょう。

こんな感じで、自分の状態や時間帯などに合わせて、「心身の切り替え」をうまく行うためにも、プラーナーヤーマはとても有効です。

まずはやり方や目的をしっかり教わった後、自分で選択して実践できるようにしていけると良いかと思います。

私のオープンクラスのレッスンでは現在、ヨガベーシック・シヴァナンダスタイルのクラスでカパラバティ片鼻呼吸(アヌローマヴィローマ・ナディショーダナ)の練習を行っています。

意識の細かい使い方や、自分に合ったプラーナーヤーマを知りたい方などは、プライベートクラス(オンライン可)にてご相談ください。

男性ヨガインストラクター 高橋陽介の写真

by 高橋陽介

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