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ヨーガマカランダ概説【12】3.5-3.6節冒頭 ナディ、シャットクリヤ(6つの浄化法)の概要

ヨーガマカランダ概説【12】3.5-3.6節冒頭 ナディ、シャットクリヤ(6つの浄化法)の概要

東洋医学の経絡にも通じるヨーガの「ナディ」、それを浄化する方法とは

「現代ヨガの父」ことクリシュナマチャリア氏の主著である「ヨガマカランダ(ヨーガ・マカランダ)Yoga Makaranda」を読み進めていきます。

参考:ヨガマカランダ(ヨーガ・マカランダ)の概要

今回は、3.5節のナディ(体の中を通るエネルギーライン)、3.6節冒頭のシャット・クリヤ(6つの浄化法)に関する部分です。

引用部分は、特に記載のない限り以下の英語版(2006年)Yoga Makarandaを出典とします。

Yoga Makaranda(無料PDF 3.9MB)

この記事の目次

ナディ

ヨーガでよく用いられる身体論として、体の中にナディ(ナーディー)と呼ばれるエネルギーラインが通っていて、その総数は72,000本あり、主要なものは10本ある、といった話はハタヨーガの教典でも語られています。

東洋医学でも、近い概念として経絡というものがあります。鍼灸治療では、この経絡と、その上にある多くの経穴(ツボ)を使って診断・治療・予防を行います。

こういったエネルギーラインが滞りなく流れていることによって、体が正しく働き、健康的に生きることができるということになります。

ナディの発音としては、綴りはnāḍīなので「ナーディー」が近いかと思いますが、ここでは日本では一般的な「ナディ」の表記にまとめておきます。

用語:ナディ(ナーディー) nāḍī

参考:経絡・経穴・ナディ・マルマ・チャクラ研究

ナディが始まる場所、カンダスターナ

There is a ball of flesh like a bird’s egg above the lingasthana (genitals) and below the navel. This is called the kandasthana. There are 72000 nadis surrounding this. These nadis radiate and spread out in all four directions of the body.

性器の上・へその下あたりに、カンダスターナという鳥の卵のような肉の塊があって、その周囲に72,000本のナディが放射状に広がっていると説明されています。

重要な10本のナディ

Among these, ten nadis are very important. Their names are: 1. ida, 2. pingala, 3. susumna, 4. gandhari, 5. hasti jihwa, 6. poosha, 7. yasaswini, 8. alampusa, 9. guhu, 10. sankini. These ten nadis are the primary support for all the other nadis. Therefore, these are called the mula nadis and are also called the kanda tantugal.

これらのナディの中で以下の10本が非常に重要であるといいます。その位置についても後で示されているので、ここにまとめて併記しておきます。

  1. イダー:鼻の左側
  2. ピンガラー:鼻の右側
  3. スシュムナー:イダーとピンガラーの間
  4. ガーンダーリー:左目
  5. ハスティ・ジフワ:右目
  6. プーシャ:右耳
  7. ヤシャスウィニー:左耳
  8. アランブシャー:顔
  9. グフ:性器の根元
  10. シャンキニー:ムーラーダーラ(会陰)

これらの10本のナディは、他のすべてのナディの主要な支柱であり、そのためこれらはムーラ・ナディあるいはカンダ・タントゥガルとも呼ばれるといいます。

「mūla ムーラ」は根、「kāṇḍa カンダ」は幹、「tantu タントゥ」は糸や織を意味する言葉で、これらの10本は、多くのナディが束ねられた重要なものというニュアンスが感じられます。

参考:「クンダリニー・タントラ」を読む【31】第2章 4節:ムーラーダーラチャクラの位置や特徴

最重要な3本のナディ

Moreover, the ida nadi is also called the candra nadi, the pingala nadi is also called the surya nadi and the susumna nadi is also called the agni nadi.

Among these three, the ida and pingala exist only up to the tip of the nose. But the susumna nadi goes up to the top of the skull (brahamarantram) and is also helpful in the movement of prana vayu in our heart.

イダー・ナディはチャンドラ・ナディ、ピンガラー・ナディはスーリヤ・ナディ、スシュムナー・ナディはアグニ・ナディとも呼ばれます。チャンドラは月、スーリヤは太陽、アグニは火の意味で、イダー・ピンガラー・スシュムナーの3本は最も重要なナディとされます。

これら3本のうち、イダーとピンガラは鼻の先端までしか存在しないが、スシュムナー・ナディは頭頂まで伸びており、心臓におけるプラーナ・ヴァーユの循環にも役立っていると説明されています。

72,000本のナディの中で10本のナディが重要であり、その中でも特にイダー・ピンガラー・スシュムナーの3本は重要である、という考え方はハタヨーガでよく用いられ、クンダリニー・タントラでも説明されていました。

参考:「クンダリニー・タントラ」を読む【10】第1章 3節-3:ナディとは

シヴァサンヒターでは少し増えて、重要なナディは14本ということにしているようです。シヴァサンヒターは比較的後期に作られたものであるからか、ヤマ・ニヤマの項目数もそうですが、色々なものが多く書かれています。

参考:シヴァサンヒター概説【4】2.1-2.57 人間論(小宇宙・ナディ・チャクラ・魂)

シャットクリヤ

ハタヨーガでは身体の浄化法が非常に重視されていて、代表的な6つの浄化法「シャットクリヤ(シャットカルマ)」が伝わっています。シャットは「6」、クリヤ(クリヤー)あるいはカルマは「行為」などの意味です。

参考:ハタヨーガプラディーピカー概説 2.21-2.38 〜シャットカルマ(6つの浄化法)とガジャ・カラニー〜

文脈としては、先の節で紹介されたナディに、正しい気の流れを作るため、シャットクリヤの実践が必要である、という流れになっていきます。

ドーシャバランスと身体の健康

シャットクリヤを説明する節の冒頭では、ガルバ・ウパニシャッドからの一節が引用されています。

“When the body is born, it contains, by its nature, vata, pitta, kapha. The appropriate vayus occupy their appropriate nadis in a prescribed manner. If the flow of the vayus is not correct in the correct nadi and path, then the body becomes diseased and there is danger for life.” (Garbha Upanishad).

「生まれたとき、身体は本来、ヴァータ・ピッタ・カパという性質を備えている。適切なヴァーユは、定められた方法でそれぞれのナディを占める。正しいナディと経路において、ヴァーユの流れが正しくない場合、身体は病み、生命の危険にさらされる。」(ガルバ・ウパニシャッド)

ガルバ・ウパニシャッド自体は、成立年代や著者は不明で、現存している写本群は損傷していて、互いに矛盾しているということで、信頼性については判断が難しいものです。

用語:ウパニシャッド upanishad

ここではヴァータ・ピッタ・カパというドーシャバランスや、ナディとヴァーユ(気の流れ)の対応関係が崩れると、病気になったりするといった話が語られています。

ヴァータ・ピッタ・カパはアーユルヴェーダで用いられる、人間の性質や性格などを左右するドーシャと呼ばれる要素です。このバランスによって、かかりやすい病気なども分かってきたりします。

以下のページで、簡易的なドーシャバランスの診断ができます。

参考:ドーシャ診断・アーユルヴェーダ体質チェック

薬を用いるよりも、気の流れを整えよ

If one wants a cure from some disease, even supposing that there are many medicines, for the disease to be cured by these medicines, it is essential that there should be a proper flow of vayu in our bodies without any obstructions. When the vayu sancharam is proper (according to krama), then even taking medicines becomes irrelevant.

たとえ多くの薬があったとしても、何らかの病気を治したいのであれば、身体にヴァーユが滞りなく正しく流れていることが不可欠であり、もしヴァーユの流れが(クラマに従って)正しく整っているならば、薬を服用することさえ不要である、といいます。

この話は前章でも語られていましたが、どんな薬を使うことよりも、ヴァーユを整えることが重要であり、そのためにはアーサナ・プラーナーヤーマの実践が重要である、という話がありました。

プラーナーヤーマの重要性と役割

The activity known as pranayama is very important for the vayu sancharam in our body to be correct (according to krama), for the nadis to get cleaned every day, and for the blood to flow properly in the nadis.

プラーナーヤーマと呼ばれる活動は、体内の気の流れが正しく保たれ、ナディが毎日浄化され、ナディ内の血液が適切に流れるために非常に重要であるといいます。

ここでblood(血液)と言っているのは、比喩的な表現かなと思いますが、真意はわかりません。ナディは血管とは異なるもので、流れているのはプラーナ・ヴァーユ(気)であるはずです。

改めて、プラーナーヤーマの役割、重要性について語られました。

If pranayama is to be successful, there should not be a disproportionate measure of vata, pitta, or kapha in our body.

プラーナーヤーマが成功するためには、体内のヴァータ・ピッタ・カパのバランスが崩れてはならない、といいます。

この意味としては、プラーナーヤーマを行う前に、ドーシャバランスを整えておかなければならないということかと思います。クリシュナマチャリア氏は、プラーナーヤーマ自体は「主にドーシャバランスを整えるための技法ではない」と捉えているということかもしれません。

現代のプラーナーヤーマとしては、たとえばヴァータを下げるスーリヤベダナ、ピッタを下げるシータリー、カパを下げるカパラバティといったものが行われています。

ただ、ドーシャバランスを整えるという目的においては、これらのプラーナーヤーマの効果よりも、このあとに説明されているようにアーサナやシャットクリヤのほうが効果が大きいのかもしれません。

(カパラバティについては、プラーナーヤーマと捉える場合もありますし、シャットクリヤにも含まれているので浄化法と捉える場合もあります。)

ドーシャバランスを整えるには

If vayu sancharam is not proper, if vata, pitta or kapha increase, our body begins to tremble, we develop breathlessness and bloating of the stomach. The joints of the bones and nadis will develop disease or pain without proper vayu flow and life will get gradually shortened.

気の流れが適切でない場合、つまりヴァータ・ピッタ・カパが増加すると、体は震え始め、息切れや腹部の膨満感が生じたり、骨やナディの結合部分に病気や痛みが生じたりして、寿命が徐々に短くなるといいます。

ドーシャバランスが崩れたときの症状が、少し具体的に語られています。

In order to eliminate these sorts of bad vata, pitta, and kapha, you have to practise yogasana and you should know and practise the six kriyas related to yoga.

こうした悪しきヴァータ・ピッタ・カパを取り除くためには、ヨーガのアーサナを実践し、ヨーガに関連する6つのクリヤを知り、実践する必要があるといいます。

ドーシャバランスについて考えるとき、なにか不適切な行動や食生活をしたときに特定のドーシャが「増大する」というように考えるため、ドーシャという言葉自体を「病素」「体液」などと訳す場合もあります。そのため、バランスを整える方向性としては、「増大させないこと」「増大したものを減らすこと」といったイメージになります。

ここで「悪しきヴァータ・ピッタ・カパ」と言われているのは、「取り除くべきもの」というニュアンスかと思います。英語版では、eliminate(削減する・取り除く)という言葉が使われています。

そしてここから、以下6つのクリヤの説明が始まります。

  1. ダウティ・クリヤ
  2. バスティ・クリヤ
  3. ネティ・クリヤ
  4. ナウリ・クリヤ
  5. トラータカ・クリヤ
  6. カパラバティ・クリヤ

次記事:(執筆中)

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