蓮華座を組んだ形のマユラーサナ(孔雀のポーズ)。マユラーサナよりも体全体がコンパクトになるので、意外と脚を上げるのは簡単ですが、バランスを取るのが難しくなる場合があります。
この記事の目次
パドママユラーサナの主な効果
- 広背筋・前鋸筋・三角筋など肩周りの筋肉の強化
- 消化器系の活性化、解毒
- 腹直筋強化(肘が接する部分)
- ハムストリングス強化(股関節伸展)
- 股関節外旋の柔軟性UP
- 手首まわりのストレッチ
- バランス感覚・集中力UP
パドママユラーサナの禁忌・注意点
必ず胃が空っぽの状態で行うようにします。手首・肩・股関節のストレッチを十分に行ってからアーサナを行うようにしましょう。
手首・肘・股関節・膝・足首などを痛めている場合は、やめておきましょう。
強力な解毒ポーズなので、内臓から排出された毒素を含む血液が頭に回らないように、このアーサナのあとはシルシャーサナ(ヘッドスタンド)などの逆転系のポーズを行うのは避けたほうが良いとされています。
パドママユラーサナのやり方
1)蓮華座を組んで体の前に両手をつき(お尻をもちあげて構いません)、腕を外へ回して中指が手前に向くように置きます。指は5本均等に大きく開いておきましょう。これが土台になりますので、土台は広いほうが安定します。肩甲骨が寄らないように、そして肩をすくめないようにします。肘はできるだけ近づけますが、くっつかなくても構いません。
2)お尻をもちあげて、両手と両膝だけで体を支えている状態にします。みぞおちを両肘の上に置きます。この段階から、腰を反らないようにしながら、なるべく股関節を進展させて体幹と脚がまっすぐになるようにしておきます(膝の内側あたりが床についている状態)。
3)息を吐き、お腹を細く長くして引き締めます。両肘にみぞおちの体重をだんだんあずけていき、体を少し前へ送り出して行きます。
4)息を止めて腹筋を引き締め、膝をもちあげます。腰を反らないように、体をまっすぐにしてできるかぎりキープします。
5)お腹の力をぬかないように脚を床に下ろし、蓮華座をほどいて、仰向けになってシャヴァーサナで休みます。
パドママユラーサナを深める方向性
- 腰を反らないように、体幹と脚がまっすぐになるようにする。
- 体をまっすぐに保ちながら、長時間キープできるようにする。
パドママユラーサナのコツ・練習法
体幹をまっすぐにし、腰を反らないようにする
体幹がふにゃふにゃしていると、小さな土台では支えきれません。腹筋を総動員して、強い体幹をキープできるようにします。
体幹のトレーニングには、ナヴァーサナやピラティスの腹筋シリーズなども有効です。
猫背にならないようにする
猫背にならないようにするには、胸の裏側あたりの背筋を使って、胸を少し反らすような意識を持ちます(実際には反らず、まっすぐな体幹になります)。
メディカルヨーガという書籍では、このような体幹を保つ力を「ドラゴンの張力」と呼んでおり、たとえばドラゴンのように滑空して飛ぶことができたとしたら、体幹はまっすぐで、胸の下にはスムーズな空気の流れがあったほうが安定して飛べるはずです。そのような意識で、体幹をキープせよということです。
蓮華座を組んだ状態で、股関節を進展する
蓮華座を組んだまま股関節を伸展する必要がありますが、柔軟性と筋力が足りないと、腰を反ることでごまかしてしまいます。
柔軟性を高めるには、蓮華座そのものを深く組む練習はもちろんですが、蓮華座を組めた後は、パドママツヤーサナ(蓮華座を組んだ魚のポーズ)やグプタパドマーサナで練習すると良いでしょう。
筋力としては、ハムストリングスや大臀筋といった股関節伸筋の力が必要になります。この筋力の強化には、脚を後ろへ向かって上げるヴィラバドラーサナⅢや、ランジポーズなどが有効です。
アジャスト例(インストラクター向け)
- 頭側に座り、顔から落下しないようにスタンバイする。あるいは毛布やクッションを顔の下に敷いておく。
- 安定したら、蓮華座の膝を高くあげていくように、手で膝を軽く支えてサポートする。無理に持ち上げると顔が落ちるので注意。
- 背中が丸くなりすぎている場合は、胸を前へ向けていくように指示する。
シークエンス例
- シルシャーサナなどの逆転ポーズの前には行わないようにしましょう。シヴァナンダヨガでは終盤に行います。
- ウップルティヒなど蓮華座を組んだポーズの後に行います。
- ゴームカーサナ・ガルーダーサナのように肩を柔軟にするポーズを行ってから行うのも良いでしょう。
アーサナ名の表記バリエーション
【日】パドママユラーサナ、パドママユラアーサナ、パドママユーラーサナ、蓮華座を組んだ孔雀のポーズ
【梵】Padma Mayurasana
【英】Lotus Peacock Pose, Peacock Lotus Pose